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総研はコルクラボがどうあるべきかを長い目で見て話す場所

コルクラボには、運営チームが役割ごとに分けられています。そのうちのひとつである「総研」はアクセス解析を基にした定量分析や定性分析をもとに、ラボ内外への施策を考えるチーム。コルクラボ総合研究所を略し「ラボ総研」「総研」と呼ばれています。(以下、「総研」)

「分析」と聞くと、真面目で堅いイメージが連想されます。しかし、総研の主要メンバーであるかのこもによると「総研のミーティングは、コルクラボについてとことん話す2時間」「コルクラボ大好きっ子さんたちの集まり」とのこと。

しかも、コルクラボ内のおすすめ部活ランキングで上位にランクインするほどの人気の部活。その魅力はどのようなものなのでしょうか。

ゆるい雰囲気がありながらも真面目にディスカッションしている様子を垣間見れた、総研のインタビュー。話し手以外のメンバーも、観覧者としてインタビューの様子を見守ってくれました。

総研にはどのようなメンバーがいて、どのような内容のディスカッションをしているのか、この記事でぜひ知ってもらいたいです。

このインタビューは「部活・PJインタビュー」シリーズです。このシリーズでは、2021年1月にコルクラボで実施した「おすすめ部活・PJアンケート」で上位に選ばれた6個の部活を紹介します。

*記事を読む前に、コルクラボの運営チームの一部を紹介*
・コルクラボ全体の運営を行う実行部隊である「運営部」(以下、「ラボ運営部」)
・定例会の在り方や進め方を考える「定例会部」
・ラボ内外の発信方法を考える「広報部」
・データ分析を行う「総研」

※コルクラボではタメ語で話す文化があります。今回もいつものようにタメ語でインタビューを行いました。いつものコルクラボの雰囲気も併せてお楽しみください。


■メンバープロフィール

話し手:かの(6期)

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「総研」チームをを立ち上げたリーダー。最近はコルクラボのコアの運営にも携わっている。総研では、ミーティング日程の調整や当日のファシリテーター、議事録などを担当。ひとりひとりの想いに寄り添った巻き込み力には定評がある。

話し手:こも(6期)

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総研の中心となる存在。理科メンプロジェクトや文学サークルの運営なども行っている。総研では、分析データの作成やミーティングの盛り上げ役を担当している。こもの賑やかしには、なぜか元気をもらえる。

話し手:すなふ(1期)

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1期からコルクラボにいる貴重な存在。総研には「メンバーを見て面白い話が聞けそうと思って参加した」らしい。総研では、主に雑談をしている(重要な役割です)。よく眠る人。眠気を誘発する、穏やかな声に定評がある。

聞き手:しゃび(6期)

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今回のインタビューの聞き手。リクルーティングリーダーの経験者であり、最近はラボメンに話を聞く音声番組「コルクラボライフ」の収録を行っている。総研にはまだ参加したことがなく、堅いイメージを持っていたが話を聞いて「すっげー面白そうなところ」と感じたとのこと。よくしゃべる。

■総研はデータをネタに仮説を立てる場所

――今日はよろしくね。まず、総研は何をしているのか教えて!

かの:
はーい、よろしく~。総研ではコルクラボで使用しているコミュニケーションツールであるOSIROやSlackに蓄積されているデータを月ごとに見て分析しているよ。たとえば、週に何回ログインしているのか、1回の訪問で何分滞在するか、など。数値などの定量データの分析がメインだね。

――ラボメンのアクティブ度がどのように変化するかを観測する役割なんだね。

かの:
そうそう。総研はコルクラボの総合研究所だから「好きな方法で研究してね」というスタンスではあるけど、主に定量データを見ているのは変化を観測しやすいからだね。

そもそも定量データを見るようになったのは、コルクラボの運営ミーティングで「会員を300人にすること」が目標になったから。最初は総研も目標達成のために何が必要かを考えたりしていたけど、どう解決するかを考え実際に行う役割はラボ運営部に任せるようになった。

今の総研では、データを元に様々な角度からコルクラボについて話すようになったよ。たとえば、「退会率が上がっているのはどうしてかな」という問いかけがあったり、「今月はこんなことがあったね」と振り返りしたり、「イベント数が少し減ったのは、年度末で仕事が忙しいからじゃない?」と仮説を立てたりしてる。


こも:
こういう仮説は何かネタがないと生まれないじゃない。総研の場合はそのネタがデータなんだよね。

かの:
そうね。話のきっかけはデータだけど、定量的な話をする時間よりもコルクラボで起きる出来事やラボメン同士のコミュニケーションなどについて話す時間の方が長くなってる。みんな、定性的な話の方が好きなんだろうね。

こも:
コルクラボでは毎月何かしら話題になるトピックがあるよね。最近でいうとコルクラボ文化祭、11期採用、あとはClubhouseなどがそう。

トピックによって何かしら数値に変化が起きるから、その変化が発端になって会話が広がるんだよね。話が広がりすぎて、気が付いたら深夜になっていたこともある(笑)。


――なるほど。総研では「なんでこうなったんだろう」とか「これからどうなっていくんだろう」といった話をしているんだね。


こも:

そうだね。「ラボはどうあるべきか」といった話はするけど、それが300人達成のためとは限らない。むしろ「本当に会員数が増やすべきなのか?」なんて話になることもあるよ。

こういう未来のコルクラボについての話は、ラボ運営部でもしているんじゃないかな。どう?


■ラボ運営部では「直近で必要な行動」、総研では「コミュニティの在り方」がテーマとなる


かの:
ラボ運営部でも話せたらいいなとは思うけど、今のところはあまりできてないね。

毎月何かしらやることがあるから、どうやるかをディスカッションしたり、各担当から進捗共有をしたりしているうちに、ミーティングが終わっちゃうんだよね。

こも:
そっか~。ラボ運営部のミーティングで扱うのは緊急性の高い内容ばかりだもんね。定例会やリクルーティングは急に「やめます!」とはできないしね。ラボ運営部はやらなければいけないことをどう実行するかを考えるチームといえそう。

一方で、総研は良くも悪くも「なくても困らない存在」だよね。会員300人という目的はあるけどその役割はラボ運営部が担ってくれているから、やらなくてはいけないことは特にないんだよね。

でも、その分の余裕があるから「コルクラボとはどうあるべきか」といった抽象的な話ができているのかも。

――運営では今まさに必要なことについて話していて、総研では抽象的なコルクラボ像について話しているんだね。

コルクラボの運営方針である「自主運営するコミュニティ」として、コミュニティの在り方などを一番ディスカッションしているのは総研なのかもしれないね。

こも:
ミーティングは「コルクラボについて、とことん話す2時間」という感じだよね。

かの:
コルクラボ大好きっ子さんたちの集まりみたいだよね(笑)。

――総研のミーティングは、コルクラボという町に住んでいる住人が井戸端会議でこの町について話しているイメージに近いのかもね。

かの:
そうね。ゆるい集まりですよ。

こも:
総研にはかのちゃんやすないぱー(※)などのラボ運営部に携わっている人もいるから、うまいこと連携できているよね。総研で話した懸念や仮説がラボ運営部にシェアされてその後のアクションが生まれ、結果が総研に返ってくるようになる。

ラボ運営部のメンバーが総研にも参加してくれているおかげで、実験的な取り組みに繋がるのは面白いなと思ってるよ。もしこの連携がなかったら、本当にその場かぎりの井戸端会議で終わっていたかも……。

※すないぱーは、コルクラボのリーダー。コルクラボのメンバーが過ごしやすくなるように環境整備をしてくれる「公園の管理人さん」的な役割。


■総研ができたきっかけは、2019年度末のアンケート。

――総研は2020年の1月に始まったんだよね。そのきっかけは覚えてる?

かの:
2019年末のコルクラボ運営部が作成したアンケートに、私が「コルクラボの研究をしてみたい」と記入したことだったな。

その当時はコルクラボ文化祭が終わって自分の役割を果たし、この後どうしようと考えていた時期。私は「受け手ではなく作り手でいたい」と「人と違うことをしたい」という二つの想いを抱えていたから、既に役割が出来ているラボ運営部に入ろうとは思わなかった。

そこで、別の方法で作り手になるためにコルクラボを観察しているときに「コミュニティをつくるコミュニティ」と謳っているけれど、コルクラボについて研究する人がいないなと気づいたんだよね。そこで「コルクラボの研究員」という役割で運営に関わりたいと思ってアンケートに書いてみたの。

すると、アンケートを読んだすないぱーから総研という形でやってみようと声をかけられて……。はじめは4人くらいで定期的に話をするだけだったけど、1~2か月経ってから部活化したんだ。

――アンケートがアクションのきっかけになることあるんだ! いつも適当に書いちゃってたなあ。あ、すなふが来たね。

1期からコルクラボの成り立ちを見ていると思うけど、総研はどんな存在だと感じてる?

すなふ:
やあ。1期から見ている立場として、総研の立ち位置は面白いなと思ってるよ。

1期~2期頃のコルクラボには「コミュニティ未来会議」というミーティングがあったんだよね。でもそこでは「村を作ろう」とか本当に先の未来の話ばかりしていて、直近の定例会などの話は一切していなかった。それではコミュニティとして何も固まらないじゃん。

そこで、直近のやることについて話し合う場として、今の運営ミーティングをするようになったんだよね。すると次第に「コミュニティ未来会議」は開かれなくなって、コルクラボの未来をどうするかを話す機会が一切なくなった。

そんな時に、コルクラボはどうあるべきかなど長期的な目線でコミュニティを考える部活として総研が生まれた。「コミュニティ未来会議」の新しいかたちとして「総研」がスタートしたなと感じているよ。

――その話を聞くと、今ラボ運営ミーティングの議題が直近でやること中心になる理由もわかるね。

すなふ:
総研では数字とかも扱うから、今後大きなグランドデザインもつくられていくのでは、と個人的には思ってる。

――おお~。そうなったら面白そうだね。


■様々な期のメンバーが集まるから、できるディスカッションがある


――1年以上活動してきて、総研でやったことが運営に活きていると感じる部分はある?

かの:
今まさに活きている。ラボ運営部のコアの部分に関わるようになってから、総研で考えている内容とラボ運営部で議題になることがリンクする部分があると感じるようになったよ。

たとえば、11期の採用を20人にしたのも総研でデータを見たことがきっかけだったの。

ある会のミーティングで、コルクラボの活動がオンライン中心になってから、8期以降のメンバーは入会してもすぐに退会してしまう割合が増えているとわかった。

たしかに肌感覚でコミュニティ内部が変わってきている実感はあったから、その変化を改めて言語化してみたんだよね。すると「コミュニケーションに余白がない」とか「イベントの内容が目的ありきに変わってきている」などのキーワードが出た。別軸で、新メンバーの40人全員の様子を運営側がオンラインで把握するのは難しい、という話も出ていた。

以上の話などを踏まえて1対1のコミュニケーションが取りづらいと感じているのではないかという仮説が立てられたんだ。

そこで、充分なコミュニケーションが取れるように、募集人数を減らして20人にしてみたの。11期生入会後の定例会で、少人数でのワークショップを組み込んでみたのも、オンラインで偶然の出会いをつくるためだった。

その結果、今のところ11期生はバランスよくいろんな人と関わってくれているように思うよ。

――総研でデータを見たことがきっかけで、運営で一対一の関係性を築きやすい設計を試みたんだね。今話してくれたのはデータから解決策を考えられたケースだけど、まだ解を導き出せていないことはある?

こも:
コルクラボが規模の拡大をするにあたり「200人の壁」を超えるのは難しいところかな。

かの:
そうだね。「ダンバー数」を超えているからね。ダンバー数は、人間が安定的な社会関係を維持できるとされる人数を指す理論。認知的な上限は150人とされているよ。

コルクラボの場合は、現在(2021年3月時点)の会員は198人で、ほとんどラボの活動に参加していない層が25%くらいだとすると、既にアクティブな人数だけで150人。既存メンバーだけで、ダンバー数に達してしまっているんだよね。

実際の様子を観察しても、同じ班や部活などのクラスター単位でのコミュニケーションは取れているけど、全体でみると1~4期と8期以降での交流がほとんどない状態になってしまっている。どうやら8期以降の人で「上の期の人には話しかけづらい」という意識を持っている人も少なくないようで、その意識が障壁になっていたらしい。

じつは5期~6期が入会した頃に既にダンバー数は超えていたんだけど、不思議なことに6期くらいまでのメンバーは、「期による話しかけにくさ」は感じていないみたいなんだよね。

6期が入会したての頃は、コルクラボ文化祭やラボ本制作の準備で忙しい時期だった。「誰でもいいから手伝って!」という状態だったから、メンバーが期に関係なく関わり合っていて一体感があったのではないか、という話になったよ。一体感のある活動があるかないかで期に対する意識が変わっているみたい。まだどうしていくのが正解なのかはわからないな。

総研でこういう話をすると、昔から居る人が当時の状況を語ってくれたりする。さっきすなふもコミュニティ未来会議のことを教えてくれたよね。

こも:
1期や2期といった古くから居るラボメンがいることで、コルクラボという集合体がどういう粒子によって出来たのかがわかるのがいいよね。同じことが過去にも起きていたとして、過去に実施した内容を聞ければ「今度はこうしよう」と他の案を考えられるし。

コルクラボは自由に出入りできる場所だから、退会者が多くても「合わなかったんだな」で終わることもできる。でも過去の話を聞く機会は、これからを考えるにあたり重要な資産になるから、みんなに長く居てほしいね。

かの:
そうね。古くからいるメンバーがいる一方で、新しい期のメンバー側の考えを話してくれることもあるよ。両者の話を聞けるおかげで「なるほど」と思える部分がある。

■総研のメンバーは、何かしらのかたちでコルクラボが好き。


――話を聞いていると、総研はコルクラボについて考えたり語ったりしたい人には合いそうな感じがするね。

こも:
総研に参加している人は、何かしらのかたちでコルクラボが好きなんだろうなと思う。サディがよくする話で、コミュニティに参加する時は「水をすくうのではなく、水を交換する」のが大事だという考え方があるよね。

総研には、この話でいう「水をすくう人」、つまりtakeする人はほとんどいない。何かを得ようとする人があまり来ないから、気軽に話せて楽しいと感じるよ。

――なぜそういう人が集まるんだろうね。

こも:
え、何も得られないからじゃない?

――いやいや、そんなことないでしょ。今日聞いた話だけでもだいぶ学べる部分あったよ。

かの:
本当だ。チャット参加の人が「学んでます」とか「学び多き」って書いてくれてるね。コルクラボの現状を整理して話すから、そこを「なるほど」と思って聞いてくれているのかも。有難いね。

でも抽象度が高い雑談ばかりするから、合うかどうかは人による気がするなあ。

こも:
たしかに。データを見るから真面目な活動に見えるかもしれないけど、学びのためではなく雑談に参加するくらいの気持ちで来てもらっていいよね。

かの:
そうそう。総研のミーティングはおしゃべりしましょう~というスタンスだからね。総研では強制的に何かする必要はない。だから、ミーティングにきて聞いているだけでも、チャットするだけでも、もはや来なくても全然構わないと思ってるよ。


■これからは「手をかけすぎない運営」について考えたい

――これから総研でやりたいことはある?

かの:
今の運営に必要な「手をかけずにかき混ぜる」ような役割はどうすれば実現できるかを考えてみたいと思っている。

こも:
昔と今とではコルクラボの運営に必要な役割が違うんだよね。昔はコルクラボがどういう存在なのかがふわふわしていたから、コルクラボについて考え積極的にコミュニティ運営をする必要があった。

一方で、今は運営がしっかりしてきて新しく入ってきた人を迎え入れる体制も万全にできている。でもそれは一歩間違えると「コルクラボの入会すれば何かしてもらえる」みたいなスタンスになってしまいかねない。

それはあまりよくないのでは、という話になったんだよね。

かの:
丁寧に迎え入れる設計を作りすぎると“サービス供給”になってしまう、という話だったね。コルクラボは「コミュニティをつくるコミュニティ」なのに、既存メンバーがつくりすぎると新しいメンバーがつくる側に回らなくなってしまう可能性が出てきてしまう。

――なるほど。つくればつくるほど作り手が増えなくなる矛盾を抱えているんだね。

こも:
運営方針が手をかけない方法を考えるようになるの、面白いよね。そのさじ加減はすごく難しいと思う。興味深いテーマだよね。

かの:
入会したての頃はお金を払っている意識が強いから、最初はある程度サービス供給的に「こうするんですよ」と教える必要はあるとは思う。でも、その後にどう自走するかは人によって異なる部分だから、その道筋をどうつくるかを考えたいね。

――今後は手のかけ方について語っていくことになりそうだね。

かの:
そうだね、今一番興味あるテーマではある。でも、そのときのコルクラボの状況によって議題も変わると思う。

――テーマも柔軟に変わっていくんだね。そろそろ時間も終わりに差し掛かってきたので、何か最後に伝えたいことがあれば教えて!

かの:
今日のインタビューでもすなふが遅れてきたように、総研は本当に自由に活動してます。だから、コルクラボについて話したい人であれば誰でも参加してほしい。

ミーティングは22時スタートで1時間はデータについて解説、23時からは雑談みたいな感じになっているんだけど、23時からの雑談の方が面白いと思ってるの。だから、23時からこそぜひ参加してほしいな。


――ありがとう! 本日のインタビューはここまでにします。総研のことたくさん知れて、すごく面白そうな部活だなって思えた。

かの、こも、すなふ、いろいろ総研のことを教えてくれてありがとう。チャット参加のみんなもありがとね。ではまたね~!

話し手:かの(6期)、こも(6期)、すなふ(1期)、チャット参加のメンバー
聞き手:しゃび(6期)
書き手:ありぺい(7期)
編集:ぐみ(7期)

コルクラボでは定期的にメンバーを募集しています。少しでも興味を持っていただけたらこちらもぜひお読みください。


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