
コルクラボマンガ専科 第一期①「いま、マンガ家を目指す君へ」
コルクラボ専科マンガコース(通称 コルクラボマンガ専科)は、サディことコルクの佐渡島庸平さんが立ち上げた、プロのマンガ家を本気で目指す人たちが学ぶ場所です。参加者は「表現力」「技術」「マンガ家としていきていくための知識」を、約6ヶ月をかけて習得します。
2019年3月7日、一期生50人が初めて集合しました。このnoteでは、初回講座で得た学びを、ライターチームの きゅうたろう の目線で一部ご紹介します。
◇◇◇
1. 「知らないの壁」を超えよう
「そんなこと知ってるよ」
誰かの一言に、こう思ったことはありませんか?私は何度もあります。けれども私が知っていることと、誰かが知っていることは本当に同じことでしょうか。
知らないことに気づく。これが「知らないの壁」を超えるということです。
(サディ)マンガ家になるために身に着けなくてはいけないこと。それはマンガを描き続ける習慣です。そのために、実はいくつもの壁を超えなくてはいけません。多くの新人クリエイターにとって一番高い壁は「知らないの壁」です。いまの時代は、知らないという事実を知ると、オンラインで検索して知識を得ることができます。ただ多くの人は、知らないことを知らないのです。
ほとんどの新人マンガ家は自分が何を「知らないか」を知らないらしい。存在すら知れなければ、知ろうとも思えないのだ。
— やじま けんじ (@yajima_kenji) March 7, 2019
そういえば僕は、小学生の頃、マンガのセリフの文字は全部マンガ家が手で描いてると思ってた。だから字が上手くないといけないと思って習字を習ってた。#コルクラボマンガ専科
トンボはオスとメスがいる。見分けらるかどうかは自分が知識を持って、意識しているかどうか。知識は認知を広げる。では知識を獲得するためにはなにが必要か?多分動機だよね。「なにを知らないか」を知るための方法を知る大切さ #コルクラボマンガ専科
— Nobuhiko Kadono (@FamesJp) March 7, 2019
2. 水をすくうのではなく、交換しよう
コルクラボマンガ専科は学びの場であり、コミュニティでもあります。経験の有無・現在の職業を問わない募集には意味があります。お互いの凸凹、知識や経験を共有すると、そこにコミュニティとしての成長が生まるのです。
(サディ)僕は、コルクラボマンガ専科が、一人ひとりが水の入ったコップを片手に集まり、その水を交換するコミュニティに育ってほしいと願っています。課題を提出し、感想を伝え、会場設営を手伝い、二次会をアレンジする。この一つひとつが、コップに入れる水です。自分のコップに、自分の水=自分のストーリー、知識や経験、できることを入れて、このコルクラボマンガ専科というコミュニティの中心にある大きな桶に入れましょう。そうすると全員の水がここで混ざります。その混ざった水を、みんなの水を、持ちかえりましょう。これがコミュニティ全員で成長するということです。
桶の中の水を組むんじゃなくて、
— kei (@keineko34) March 7, 2019
水を交換し合うっていうのが印象的だった。自分の好きなものをおすそ分け☺️
皆んなで良くなるって素敵だな。
ブルーオーシャンな世界で嬉しい。#コルクラボマンガ専科
#コルクラボマンガ専科 の人たちのツイートで気になっていた水を交換する話、これか。正直私はいつも「水をすくう」意識しかなかった。価値観を変えられるnoteだな。佐渡島さんありがとう!
— 秋月千津子@深青舎 (@akizuki_chizuko) March 12, 2019
水をすくうのではなく、水を交換する|佐渡島庸平 @sadycork|note(ノート) https://t.co/gIeM0she7d
3.「好きのおすそ分け」をしよう
創作者にとって苦しいとき。それは、自分の「外」にある基準で何かをつくるときではないでしょうか。自分らしい作品は、あなたの「好き」の中にあるはずです。
(サディ)コルクラボマンガ専科の行動指針は「好きのおすそ分け」です。売れているテーマや、これがウケるのでは?という気持ちで商品化しても、全然楽しくないはずです。自分が好きなものを描いて、読者から「すごく楽しかった」「描いてくれてありがとう」と言われることが、嬉しさにつながると思います。すべての表現は「好きのおすそ分け」です。これから6ヶ月間、自分の行動は好きのおすそ分けになっているのか、毎日自分に問いかけてください。
#コルクラボマンガ専科
— じゅん@外資系マンガ家🌏プロフみてね! (@principaljun) March 7, 2019
今までの漫画の題材選びの基準は「面白そうか否か」だった。
結果「面白いかもしれないけど、これ描くのかあ、、、」という違和感が残り続けていた。
好きか否かを基準に変えることで、描く速度、精度、深さが改善しそう。
がんばります。
#コルクラボマンガ専科
— ホリプー (@horipu) March 7, 2019
2019.03.07
で学んだこと
【主張と思想(好き)は違う】
主張はいつか描き終えるけど、
思想は一生描き終えないもの。
自分の好きを理解して、思想を描き続ける漫画家になりたい。
それを面白いと感じてくれる人が増えるとしあわせな漫画家人生になりそう。
4. 自分自身がメディアになろう
情報爆発が叫ばれて久しい今の時代には、自分をずっと応援してくれるフォロワーを増やすことが大事です。そのために自分自身のことを積極的に発信していく必要があります。
(サディ)フォロワーを増やす=バズらせるではありません。バズアカウントは一過性のブームのようなもの。目立つかもしれませんが、そんなアカウントを誰も応援はしてくれません。僕は皆さんにそういうことを求めていません。皆さんのアカウントは魅力的な主人公に出会うことができる場所、そんな主人公を紹介してくれるアカウントとして好かれることが重要です。
#コルクラボマンガ専科 行ってきました。
— 月本千景 (@chinokage715) March 7, 2019
自分にとって一番刺さったのが、「今の時代、情報量が多すぎて、いい漫画を描くだけでは勝てなくなってきている」という言葉ですかね…。
「いい漫画を描くだけでは勝てない」がズシンときました…。
ツイッターなどで こまめに発信することが何よりも大事…。
フォローは作家につく。ファンコミュニティアカウント、濃ければクソリプなどはものの数でない。#コルクラボマンガ専科
— Oe Koju (@KojuOe) March 7, 2019
5. マンガ家として必要な力を身につけよう
私は、人気作家は天才だとずっと勘違いしていました。
読者は完成した作品だけを読みます。だから気づくことができないのです。人気作家の方々は、少しでも良いものをつくろうと何度も何度もやり直す努力を惜しまないことに。その結果、多くの読者に愛される「良い作品」が完成するのです。
(サディ)人気作家が人気作家である理由は、第一稿のネームの発想力ではありません。十回、二十回と直しを入れて、わかりやすく・伝えやすくしていく「直しの体力」と、違うアイディアを持ってこれるかという発想の柔軟さ「推敲力」が圧倒的に違うのです。
マンガ家として重要な資質は、推敲力、直しの体力。
— ワタベヒツジ/マンガ家 (@watabehitsuji) March 7, 2019
心に刻んで粘って粘って粘り続ける!!#コルクラボマンガ専科
何より完成させなきゃ。そして推敲をいかに重ねられるかが重要なんですね。 #コルクラボマンガ専科
— 進平(しんぺー) (@snsnsnsnsnsnp) March 7, 2019
6. 最後に
(サディ)皆さんにとってクリエイターになる醍醐味はなんでしょうか。
僕は、自分を表現し、一生テーマを深追いすることだと思っています。マンガを通して別の人生を感じていくことが、マンガ家になる面白さだと思います。マンガ家としての才能を最大限にするために、これからの6ヶ月間を過ごしていきましょう。
あと今日から漫画の学校に通うことにしました。#コルクラボマンガ専科 というヤツです。
— うえはらけいた (@ueharakeita) March 7, 2019
漫画家を夢見はじめた5歳のときの自分に、胸を張れるような大人になります。
今日の講義で、ネームタンクの後藤さんが「描きたい気持ちを隠さないで」と言われた時胸が熱くなった。
— まき はるか@水曜日『黒猫のシーツさん』連載中 (@00iiieee) March 7, 2019
佐渡島さん、山田ズーニーさん、後藤さんがいて、周りには50人の漫画家がいて。
すごく尊い空間で好きなことにチャレンジできる。最高だよ。#コルクラボマンガ専科
懇親会だったんですけど、
— にしもとのりあき@新人漫画家 (@Nishimotta) March 7, 2019
自分の言いにくい部分をお互いが伝え合う環境になって、
そこに共感する部分があり、救われる部分があり、発見する部分がある。
こういう瞬間に立ち会えたのが本当に嬉しく感動しました✨✨#コルクラボマンガ専科
◇◇◇
次回予告
次回は、3月24日(日)開催の山田ズーニーさんによる「表現実習」の内容の一部をご紹介します。
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文章:きゅうたろう コルクラボメンバー
写真:いでっち Brand Editor / コルクラボメンバー
講師:
佐渡島庸平さん(サディ)
山田ズーニーさん
ごとう隼平さん
会場:
青山ブックセンター本店
店長 山下 優さん
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